盗聴の種類

無線式(電波式)盗聴

 

無線式の盗聴器には、室内盗聴と電話盗聴の二種類があります。

 

室内盗聴

室内用の盗聴器には、AC電源式と電池式の盗聴器が有り、AC電源式は通電されていれば電波を出し続ける事から半永久タイプとも言われているが、電源の有る所にしか付ける事が出来ず必然的に盗聴器の設置場所は制限されます。

電池式の盗聴器は電池で作動する為、設置場所に制限はありませんが、ボタン電池であれば2日程度単三乾電池使用で1週間から2週間程度で盗聴器の電池が切れてしまいます。

また、VOXと呼ばれる音声起動式の盗聴器やスイッチに連動させるスイッチ連動式の盗聴器もあります。

 

電話盗聴

電話盗聴器には、電源やアンテナは必要ありません。

電話回線は受話器を上げた時に「プー」と言う発信音が流れますが、その時に電気が流れ、電話盗聴器はその電気を使い起動するので、電話をしない時には電波を出しません。

また電話盗聴器は、電話線をアンテナとして使うため、電話盗聴器にはアンテナがありません。

そして、電話盗聴は室内盗聴のように電波を受信してもハウリングは起しません。

ハウリングは受話器でだけ起きるので、電話盗聴器にはハウリングを使った調査は出来ません。

電話盗聴が可能なのは、メタル線でアナログ通信に限られ、光ケーブルには盗聴器を仕掛けられません。

光ケーブルには盗聴器を起動させる電気は流れておらず、アンテナとするメタル線も存在しないので光ケーブルには盗聴器を仕掛けられませんし、仕掛けても盗聴器は作動しません。
その為、光電話を盗聴するにはメタル線が使われているモデムから電話機までのメタル線に限定されるのです。

 

有線式盗聴器

有線式盗聴器とはその名前の通り、電波を使わず有線で聞く盗聴器の事です。
電波を使わないので、盗聴発見器などで発見する事は出来ません。

しかし、マイクからコードが繋がっているので、目視で発見できます。
また、コードを辿れば相手の聞いている場所にたどり着いてしまい、盗聴者からすればデメリットが多いため、現在ではほとんど使用されていません。

基本的に部屋に有線式の盗聴器を仕掛ける場合、コードはドアや窓等の開口部から出さなくてはなりません。

時折、「壁や天井の中の配線」を心配される方もおられますが、事実上不可能です。

有線式の盗聴器の配線は、壁の中や天井裏に配線出来そうに思えるのですが、これが実際にやろうと思えば大変なのです。

まず壁ですが、壁板を止めている釘の頭は例外なく埋め込まれて取り付けられています。

その釘を抜く為には、壁板をえぐらなければ釘を抜く事は出来ません。

一部だけ取り替えれば、周りと色が変ってしまいますし、壁紙の貼ってある壁であれば壁紙も張り替えなければなりません。

つまり壁をめくると言う事は壁を新品に取り替えなければならないのです。

壁紙交換まで入れれば、最低2日の行程です。

しかも、壁が新品に変っていれば誰でも分かってしまいます。

天井も同じです。

天井は、天井裏へ登れると思いがちですが、実際には天井配線工事は下から天井板をめくって配線するのです。

天井裏は登るようには作られていません。

特にマンションで天井に上れば天井が抜け落ちます。

 

デジタル盗聴

デジタル盗聴はこちらを参照

 

携帯電話の盗聴

携帯電話の盗聴はこちらを参照

 

 スマートホンで盗聴

携帯電話は盗聴出来ませんが、スマホには盗聴の危険があります。

携帯電話と違い、スマホはアプリを入れてしまえば盗聴や盗撮が可能になります。

代表的なアプリが「Cerberus(ケルベロス)」で、録音による盗聴、盗撮、位置情報の取得まで何でも出来てしまうアプリで、アプリ一覧からCerberusを隠す機能も備えています。

その為、アプリ一覧から隠されていればインストールされているのかも分からず、起動してるのかも分かりません。

そのCerberusに対抗するアプリが「カンシチェッカー」です。

但し、検出は出来ても削除は出来ません。

また、削除しようにもアプリが隠されていれば出来ませんし、スマホ本体の通常の初期化では消えない場合もあるので、通常の初期化をした後でもカンシチェッカーに引っかかるようなら、PCに繋いで外部ストレージとして認識させてPCから消すか、ショップで完全初期化してもらう必要があります+.。

 

自動応答」と言うアプリを使えば、スマホをデジタル盗聴器の様に使用する事が出来ます。

元々デジタル盗聴とは、携帯電話にイヤホンマイクを取り付けて自動着信にセットした物ですので、スマホを自動着信に出来ればスマホをデジタル盗聴器として使用できる訳で、この「自動応答」と言うアプリはその自動着信機能のアプリです。

更に言えば、Bluetoothヘッドセットを使えばBluetoothヘッドセットで拾った音声を、スマホ経由で送信する事も出来てしまいます。

 

この「スマホで盗聴」は間違った理解をしている人も多いのです。

スマホで盗聴する事は出来ても、スマホの通話は盗聴出来ません。

Cerberusでの盗聴は、ボイスレコーダー機能で周囲の音を録音し、その録音ファイルを送信し、撮影はカメラを起動させて写した画像を送信する物であって、リアルタイムに聞いたり見たり出来る訳ではありません。

通話記録は送信出来ても、通話内容は送信出来ないのです。

つまり、スマホは携帯の部分とパソコンの部分があり、遠隔で出来る事はパソコンの部分に限られ、携帯電話の部分で出来る事は発信させる事しかできません。

パソコンの部分で出来る事は、アプリなどのソフトの起動とデータ送信に限定されるのです。

つまり、「通話を聞かれる」と言う通話の盗聴は出来ません。

「自動応答」も、スマホを盗聴器の変わりにする事は出来ても、スマホの通話を盗聴する事は出来ません。

一番の対策は、ガラケー携帯を使用する事です。

 

レーザー盗聴器

レーザー盗聴はこちらを参照

 

リモート(リモコン)式盗聴器

リモート(リモコン)式盗聴器はこちらを参照

 

電磁波盗聴(テンペスト)

電磁波盗聴(テンペスト)はこちらを参照

 

盗撮

盗撮はこちらを参照

電磁波盗聴(テンペスト)

電磁波盗聴とは

電磁波盗聴はテンペストとも呼ばれる盗聴方法で、パソコンから出る微弱な電波から情報を盗み見る技術の事です。

基本的な方法としては、200Mhz~1000Mhz広帯域アンテナを使用し、広帯域受信機で受信、その受信した電波の中から復調可能な信号を拾い出し、シグナルジェネレーターでVGA信号として復調します。

これが直接放射受信の方法で、もう一つ伝道放射受信と言う方法もあります。

伝道放射受信はLANや電源ケーブルから出る電磁波を拾う方法で、復調方法は直接放射受信と同じです。

 

電磁波盗聴の実力

さて、その電磁波盗聴がどれほどの実力を持つのでしょうか?

これが実際の映像です。

電磁波盗聴テンペスト

緑の画面が電磁波盗聴で復調した映像です。

テンペストはテレビ番組でも紹介されました。

 

電磁波盗聴テンペストって最新技術なのか?

そうした番組で取り上げられると、電磁波盗聴テンペストは最新技術のように思えてしまいます。

しかしテンペストの歴史を調べると、かなり古い技術である事が分かります。

電磁波盗聴テンペストが生まれた時代背景を見ると、テンペストの別の側面が見えて来ます。

テンペストが使われたのは1970年代、NSA(米国家安全保障局)が開発した技術で、軍事機密として扱われていました。

その軍事機密が2000年頃に学会で公開された事に端を発するのです。

西暦2000年頃と言えば、パソコンやインターネットが急速に普及した時代です。

しかしこの頃のPCは、すでにVCCI規格で作られているのです。

さてVCCI規格とは?

VCCI規格とは、パソコンやFAXなどデジタル技術が普及し、そのデジタル技術は広い周波数範囲の妨害波を発生し(電磁波)妨害波のレベルによっては、ラジオ・テレビ 等の受信機に障害を与えることがあり、この妨害波の問題を解決する為に、電磁波レベルを押える為に自主規制なのです。

そのVCCIは1985年からスタートしています。

つまり、VCCI規格の以前のコンピューターの電磁波レベルは、テレビやラジオに影響を及ぼすほどの電磁波を出していた言う事なのです。

電磁波盗聴テンペストは、VCCI規格の10年以上も前の技術なのです。

当時のコンピュータを偲ばせる映像があります。

私が中学生の頃に夢中になっていたTV番組「謎の円盤UFO」です。

当時のコンピュータはまだオープンリールの磁気テープを使用していた時代です。

当時のコンピュータの電磁波レベルであれば、電磁波盗聴テンペストも容易だった事でしょう。

しかし、1985年以降VCCI規格の製品が一般化し、電磁波盗聴テンペストを行う事は困難になったと考えられるのです。

つまり、VCCI規格で使えない技術になった為に、世に出た技術と考えた方が無難なのです。

その為、電磁波盗聴テンペストが知られた時には、2メートル程度でしか受信出来ませんでした。

世の中面白い物で、現実的には出来ない事であっても、可能性があれば対処しようとします。

そこに新たなマーケットが出来るのです。

そのマーケットを拡大させようと思えば、脅威を作れば良いのです。

その脅威は、どんな大掛かりな機材を使ってでも受信出来るのを証明すればよいのです。

しかし、そんな大掛かりな機材を使って誰が電磁波盗聴などするのでしょうか?

そんな事をするより、ウイルスやスパイウエアやハッキングをした方が、手っ取り早くコストも掛かりません。

しかも、モニターに表示されている画面を見るのではなく、HDDのデータ自体を盗めるのです。

つまり、電磁波盗聴テンペストはもはや都市伝説でしかないのです。

電磁波盗聴テンペストの基本的な方法ですが、方法としては然程難しい訳ではありません。

最低限必要な物はワイドバンドレシーバー、増幅アンプ、ビデオコンバーター、長めの指向性高利得アンテナ、周波数カウンター。
但し、超微弱な電磁波を受信するため、全てにおいて高感度である事。

機材を用意したら、まずは周波数カウンターに増幅アンプを取り付けて、対象のパソコンを立ち上げてモニターの漏れ電波の周波数を測定します。
この時、完全に被覆されているコードより、隙間のあるソケット部の方が電波は漏れやすいので、コードではなくソケット部で測定します。

周波数カウンターで周波数が測定されたら、その周波数を増幅アンプと高利得アンテナを取り付けたワイドバンドレシーバーに入力し、受信した電磁波をビデオコンバーターで映像化すればOK。

※ワイドバンドレシーバーのスケルチは0
※指向性アンテナを使うのは余計な電波を拾わない為で、余計な電波の無い所ならパラコーンでも行けるでしょう。

とまあ理屈的には簡単なのですが、実際やってみると受信は困難を極めます。
電磁波を多く出す機種ならまだいいのですが、電磁波をあまり出さない機種ではまず受信出来ません。

やって見ると分かる事ですが、こうした超高感度状態でサーチをかけるとサーチは止まりまくります。
予め漏れ電波の周波数を測定していなければ、どれがどれだか分からないのです。

ですので、予め周波数を測定せずに行う事はできません。

予め周波数を測定するには侵入する他なく、侵入するのならウイルスなりスパイウエアを入れて来た方が早いですし、受信出来るかどうか分からない電磁波盗聴テンペストを使うよりもスパイウエアを入れた方が確実なのです。

せっかく侵入し、パソコンまで立ち上げて周波数だけ測定して帰り、情報を盗んでやろうとテンペストを試みて受信出来なかったら、これほど間抜けな事はありませんし、間違いなくそうなります。

受信に挑戦してテンペストが開発された時代を振り返ると分かる事ですが、その当時は今ほど電波が氾濫しておらず、デジタル機器の電磁波にも規制が無く、強い電磁波を出していたから可能だったと言う事を実感するのです。
周囲に何も電波が無いような所ならいざ知らず、電波の氾濫している住宅地で事前の周波数測定もせずにこの技術が使われる事は有り得ないのです。
早い話、氾濫する電波や電磁波が微弱電波のジャミング状態になっているのです。

まあ何事も用心には越した事はありませんので、ある程度の対策はしておいたほうが良いのかもしれません。