盗聴って何だろう?盗聴器の規制は出来るのか?

盗聴器と言う言葉がある。

しかし、盗聴器と言う機械は実際には無い。

盗聴器と言われて売られている物は、形を変えたワイヤレスマイクに過ぎない。

これは、盗聴器を語る上の大原則。

時々TVなどで、盗聴器の規制は出来ないのか?と言う話が出る。

しかしそれは無理。

そうした話は、この大原則の意味を知らない事でもある。

盗聴器とは便宜上使っている言葉であって、事実上単なるワイヤレスマイクに過ぎない。

裏を返して言えば、ワイヤレスマイクは盗聴器か?と言う問題になり、コンサートで使われるワイヤレスマイクや講演で使われるワイヤレスマイク、ドライブスルーのインカムも盗聴器か?と言う話しになる。

では、便宜上盗聴器と呼ばれる物を規制したとして、盗聴器の変わりにインカムなどの無線機を使ったら盗聴では無いのか?と言う事になってしまう。

盗聴と言うのは行為であって機械では無い。

盗聴と言う行為は、機械を使わなくても出来る。

例えば、壁に耳をあてて聞いたり、コップを使ったり、糸電話と言う物もある。

それらは盗聴器では無い。

盗聴に利用できる機械を全て規制しようとしたら、通信に関わる機械を全て規制しなくてはならなくなってしまう。

その代表的な物が、携帯電話だ。

携帯電話にイヤホンマイクを取り付けて、着信音を消し、自動着信にした物を相手の所に置いて(忘れて)来る。

そして、話を聞きたい時にその電話に電話する。

すると、着信音も鳴らずに通話状態になり、イヤホンマイクを通してその部屋の盗聴が出来る。

これを、デジタル盗聴と言う。

では、デジタル盗聴を規制する為に携帯電話を規制するのか?と言う事になる。

つまり、盗聴とは聞こうとする人の行為(心)であって、機械を規制しても無駄。

盗聴しようとする行為(心)を規制しなくては何の意味も無い。

振り込め詐欺対策

先日、ニュースで振り込め詐欺の特集が組まれていた。

振り込め詐欺に引っかかった人は自分を責め、息子は親を馬鹿呼ばわり。

オレオレ詐欺に遭わない為には「確認作業」を徹底する事だ。

息子を名乗る人物から電話があれば、電波が悪い振りをして一度一方的に切り、息子に折り返し電話して確認すれば分かる。

その時に、リターンするのでは無く、前から登録してある電話番号に電話をする事だ。

こうしたオレオレ詐欺は、事前に電話番号が変わったなどの連絡がある事が多く、その時には殆どの人は声がおかしい事に気付いている。

その時に風邪で声がおかしい等と言って、電話番号が変わったから登録し直す様に言われて確認もせずに電話番号を登録してしまう。

すると次に掛かってきた時息子の名前が表示されてしまう事で、脳は息子だと思い込んでしまい息子の声に変換されて聞こえてしまう。

第三者的には「声が違うだろう」と思えるのだが、本人には息子の声に聞こえているので詐欺に遭ってしまう。

なので、少しでも声がおかしいと思った時に、息子に電話して確認する事である。

何事も確認作業を怠らない事だ。

盗聴発見器は盗聴器を発見する機械では無い

盗聴器を探す為に盗聴発見器を買う。

しかし、盗聴発見器として売られている物は、実際には盗聴発見器では無い。
特に、安い盗聴発見器は、単なる電磁波探知機で電磁波であれば何でも反応する。

本物の盗聴器には10cm以内で反応!とは私も言っているが、実際には5cm程度でしか反応しない場合が多い。
だから、空中で反応したらその反応は盗聴器では無い。

また、「Lo」と「Hi」のレンジ切り替えが付いていても、「Hi」は全く使い物にならない。
理屈は簡単、電波や電磁波は盗聴器だけの物ではなく、様々な電波が飛び交っている。
少しでも強い電波を受信してしまえば何処でも反応してしまう。

その為、安価な盗聴発見器は最低感度に設定してある。
近くで無ければ反応しないレベルであれば、他の電波の影響を受け難く、極めて狭い範囲でしか反応しなければそこにあると言う考えだ。

しかし、現実はそんな単純な物では無い。
電波と言う物は、金属に吸収され、その金属が電磁波を帯びる。
つまり、近所に強い電波を出す施設が有れば、金属部分が電磁波を帯びると言う事だ。

例えば、コンセントの内部は金属で出来ている。
その金属部分が電磁波を帯びて、その電磁波に盗聴発見器は反応する。

何の知識も無ければ、それを盗聴器と思ってしまう。
当然、分解しても何も出てこない。

これは盗聴器を調べる以前の問題なのだ。
電磁波の性質や特性、そして「波」の性質を理解し、応用する必要がある。

逆に、電波の性質や特性、そして「波」と言う物を熟知し応用出来れば、数千円の盗聴発見器でも盗聴器を発見する事は可能だ。
とは言う物の、安物の盗聴発見器は盗聴器には反応せずに、盗聴器以外の物だけ反応する機種もある。

まずは機種選びが大切になる。

また、値段が高ければよいと言う訳でもない。
値段だけ高くて、性能は数千円の盗聴発見器に毛の生えたような物もある。

盗聴発見器にレシーバー機能が付いている物なら、さほどハズレは無いが、段階的なLEDレベル表示だけと言う商品はハズレも多い。
数万円もする盗聴発見器で、5段階や10段階などのレベル表示と書いてあると、遠くの時はLEDが一つ、近付くとLEDの点灯が増えて行く様に思うだろうが、実際には0~30cmの間でLEDの数が増減しているだけの物もある。
それでは数千円の盗聴発見器と大差は無い。

「電波」や「波」の事を知らずに盗聴発見器を購入して調べても、見つける事が出来なかったり、盗聴器ではない物を盗聴器と思い込んだりしてしまう事も多い。

困った事に、これはプロを自称する業者も例外では無い。

実際に有った話だが、盗聴発見を依頼して40万と言う高額な調査料を支払い、調査結果は「盗聴器は有るが何処にあるのか不明」と言った呆れた業者が実際にいた。

その業者は、ここに書いた事をそのままやっていた。
電波の性質や特性を理解していれば、その業者の話を聞いただけで、どの様な機種を使い、どの様な調査をして、どの程度の知識を持った業者か手に取るように分かる。

ちなみに、40万を支払ったその人の所には盗聴器は無く、近くの携帯電話の中継アンテナの電波をアルミサッシが吸収してそこから電磁波を出しているだけだった。
恐らくその業者は、その電磁波を盗聴器の電波と誤認し、盗聴器は有るが所在不明としたのだろう。
と言う事は、レシーバーを使わず、素人さんが使う盗聴発見器に八木アンテナも付けずに調べたのだろう。