盗聴に付いて
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盗撮について
盗撮の総論
まず、ワイヤレス式の盗撮全体に言える事は受信範囲が短く、近くまで来なければクリアーな画像を得ることが出来ません。
さらに壁の材質によっても受信画像が乱れたりします。
その事を踏まえて防衛策を取ればかなりの効果が得られるでしょう。
ワイヤレス(無線式)盗撮カメラは1.2Ghz及び2.4Ghz使用の物が大半ですが、その他にUHF帯などの物もあります。
UHF盗撮の主なチャンネルはテレビの13・15・17CHが良く使われます。
ワイヤレスカメラは電波が非常に弱く、スクランブル機能のある物もある為、市販の発見器で見つけられるのは稀ですが、実際にはこれが自宅に仕掛けてあっても、ほとんど無視できる程度の物です。
ワイヤレス盗撮カメラの特徴は、電波到達距離30M程度で障害物に非常に弱い、つまり室内で仕掛けても殆ど屋外まで電波が届かないのです。
もう少し専門的に説明すれば、映像電波は盗聴と違い情報量が多くなります。
音声だけの情報と、画像の情報では情報量が全く違う事は当然の事なのですが、電波の場合それが周波数と密接に関係してきます。
情報量は1周期に対して何ビットと言う形で乗せますので、情報量の多い映像電波は高周波を使う事になります。
その為、盗聴器が399Mhz帯を使うのに対して、盗撮カメラは1200Mhzや2400Mhzと言った高周波を使う訳です。
すると、別の電波の特性が関係してきます。
それが周波数による電波の性質の違いで、周波数が低いと「波」の性質に近くなり周波数が高くなると「光」の性質に近くなる訳です。
波の性質とは「回折」の性質で、障害物に当たっても回り込んで伝播して行きますが、光の性質は直進性が強くなり、回り込まずに障害物で遮断されてしまうのです。
それが、盗撮電波は障害物に弱いと言う特性になっているのです。
但し、個人住宅では難しい盗撮電波も、不特定多数の出入りできる場所(スーパー、フィットネスクラブ等)では、仕掛けた人が近くにいる事が出来る為、無視できない物です。
盗撮は、自室に仕掛けられる事は非常に考え難く、外出先のトイレや更衣室などでゲリラ的に行われるケースが殆どなのです。
盗撮カメラを壁や天井に仕掛けられるのか?
個人住宅では難しい盗撮、それはワイヤレスの盗撮だけの問題ではありません。
ビデオ式の盗撮でも困難なのです。
盗撮に関して、よくある質問なのですが、壁の中や天上に仕込まれている・・・
果たしてそんな事が可能なのでしょうか?
答えはNOです。
ではなぜNOなのか?
分かり易く説明して行きます。
まず、そのイメージは「1ミリの穴が有れば写す事が出来る」と言うマスコミの報道などが元になっていると思われますが、現実には1ミリの穴で写す事が出来るのは、コピー紙程度の厚みのものでしかありません。
人間の目には「視野」と言う物があるのと同じで、カメラにも「写角」と言う物があります。
例えば、左右70°と言った表記がなされています。
壁には厚みがあります。
一般的なベニヤ系の化粧板は4ミリ前後、プラスター系の天井材で9ミリ前後の厚みがあります。
つまり、壁や天井には厚みがあり、その中から見ると言う事は、トンネルの中から見ているのと同じ状況なのです。
人間の視野が180°と言ってもトンネルの中からは出口の所しか見えません。
そして出口に近付いて行くと徐々に視野が広くなっていきます。
カメラもこれと同じなのです。
例えば、レンズ口径が0.8ミリのカメラの場合、壁の穴を4ミリとすると厚みとの関係は概ね4:1の比率になります。
それをトンネルに置き換えると、トンネルの口径を4メートルとすれば16メートル奥から出口を見ているのと同じ見え方になります。
天井などは9:1の比率になりますので、36メートル奥から出口を見ているのと同じです。
ほとんど「点」にしか見えません。
そんな見え方では意味がありませんよね。
見えるようにする為には、穴を大きくしなければなりませんが、まともに写る為には壁や天井の厚みと同じ程度の穴が必要になります。
そんな大きな穴が開いていれば、一目で分かりますよね。
その他にも電源供給と言う問題も有りますし、設置工事と言う課題も有ります。
「壁の中に仕込む」と簡単に言いますが、それがどれだけ大変な工事が必要になるか?
特に壁に使用している釘は、プリントネイル系の頭の出ない釘か、スティープルと言うホッチキスの様な釘が使われています。
壁を剥がすにはこの釘を抜かなければなりません。
この釘を抜く時、釘抜きで板をえぐるように抜かなければなりませんので、壁板を新品に交換する必要が出てきます。
また、壁紙などが張ってあれば、壁紙も新品に交換しなければなりません。
つまり、元通りに復旧する事は出来ないのです。
天井にしても、素人さんは天井に上って工事をすると思いがちですが、天井裏の配線工事などは「天井材を外して下から工事」をしなければなりません。
天井裏に上って工事をすると、天井が抜けます。
天井材も壁と同じく、天井材を新しい物に交換しなくてはならず、一目瞭然で分かってしまいます。
電気配線も、壁や天井のコードから電源を取ろうとした場合、一旦ブレーカーを落として電源を止めてコードを切断して配線しなくてはならず、全ての工事を終えるには2日はかかります。
それだけの工事をしても写るのは「点」だけ。
しかも、何かに仕込むには素材に開けた穴に密着させなければなりません。
盗撮は盗聴と違い、アングルを定めなければ被写体を写せません。
被写体にアングルを定めず設置しても被写体は写りませんし、被写体を写せる場所は限定されてしまうのです。
これがどれほど無駄な事かお分かりいただけたでしょうか?
また「新築工事の時に」と言われる人もいるのですが、受け渡しの時に壁や天井に穴が開いていれば、即クレームで補修工事になりますし、工事が終わって何も無い綺麗な状態の時に穴があれば目立ちます。
理屈では理解出来ない人の為に、実際の映像を掲載しておきます。
実験素材 4㎜コルク材
実験穴2㎜の4㎜厚コルク材
撮影方法(穴に密着)
実験穴2㎜、4㎜厚コルク材の映像
実験穴1㎜、4㎜厚コルク材での映像
実験穴1㎜、0.5㎜厚の厚紙での映像
これらの実験で分かるように、素材の厚みと穴の大きさの比率によって、写角が遮られて映し出される映像範囲が変わるのです。
また、盗撮用のワイヤレスカメラを何かの中に入れれば、その躯体によって電波は遮断されてしまう為、個人宅の部屋に仕掛けて盗撮すると言う事は殆ど不可能なのです。
盗撮でPC画面の文字が読めるのか?
PCの画面や携帯メールを盗撮カメラで写されていると思っている方が多くいらっしゃいますが、実際にはそんな事は出来ません。
なぜなら、盗撮カメラにそんな解像度は無いからです。
と言っても、そうした不安を抱えておられる人には信じられないと思いますので、実際の映像を御用意いたしました。
この画像の最初の位置は「目線の位置」で、PCより50センチの所から徐々に遠ざかって写しております。
PCから1メートル程度離れて写した15インチディスプレイの映像です、どんな画像になるか自分の目で確認して下さい。
また、使用したカメラの性能は40万画素の高解像度ビデオカメラの物です。
電波式盗撮カメラの画質はもっと悪くなります。
どうです?タイトル以外の文字が読めましたか?
更に、ディスプレイの前には貴方の頭があります、と言うことは全く見る事は出来ない訳です。(画面に黒い帯が走るのはリフレッシュレートによるフリッカー)
試しに、270万画素のデジカメで1メートル離れた所から、この文章をデジカメで写してみました。
今度は17インチディスプレイの画像です
1. 三脚セットで70センチ離れたところからの画像
2. 実際にPCを実際に見ているところの想定(頭の位置にペットボトル設置)
実際に撮影しようと思うと2のペットボトルのような画像になり、実際には頭以外にも体、特に肩等があるので、もっと遮蔽されますね。
斜めから見ても2メートルも離れると270万画素でも文字を読むのにはつらい物があります。
こうした実験の結果、盗撮でPCの文字を読む事は不可能である事が実証できるのです。
とは言っても心配の種は尽きないと思います、どうしても心配の種が尽きない方は調査してその心配の元を解消する事が大切なのかもしれませんね。
電波式盗撮カメラの実験
電波式盗撮カメラの性質を知る前に、電波と言う物を理解する必要があります。
電波と一言で言っても用途によって周波数や変調が異なります。
周波数の低い電波と周波数の高い電波の違いから理解する必要があります。
周波数の低い電波は波の性質に近くなり周波数が高くなると光の性質に近くなります。
また電波に乗せられる情報量は周波数によって変り、周波数が低いと情報量は少なく、周波数が高くなると情報量は多くなります。
盗聴器は音だけなので周波数は比較的低い為、波の性質が強くなり、波の性質とは回り込みで、障害物に当たっても電波は回り込みながら進んで行きます。
盗撮カメラは映像情報で情報量が多く、高周波が必要になる為光の性質に近くなり、光の性質は直進性で障害物に当たっても回り込まずに止まってしまいます。
わずか1mの所に置いた電波式カメラの電波もドア1枚で受信出来ません。
映像電波は金属製のドアを通過できない為、砂の嵐になっています。
同じ室内で2m程度の所でも柱の影に隠れると映らなくなります。
つまり、何かの中に電波式カメラを仕込んでも、家の外でその映像を見る事が出来ないと言う事なのです。
良くある相談に、上下の階の人が盗撮カメラで自分の居場所を知り、移動先で音を出して来ると言う物がありますが、この実験からも分かる様に盗撮カメラの電波は床や天井や壁で遮られてしまいますので、例え電波の意距離が30M有ったとしても、電波は隣室へは届かないのです。
ましてや、壁や天井、電化製品の中に仕込んだとしたら、壁や電化製品のケースでも遮断されてしまうので、全く使い物にならないのです。
赤外線撮影の誤解
水着などを透けて写す赤外線撮影。
そんな赤外線撮影で、家の中まで見られると誤解している人が結構多くいます。
ハッキリ言って出来ません。
どんなに改造しても出来ません。
それは主観的な発想であって、原理を無視しているのです。
色と言う物は、反射する物体で特定の光の色が吸収され、吸収されなかった光の成分反射されて、色と言う形で見えています。
太陽光の下で見る色と、蛍光灯の下で見るのでは、若干色が違って見えます。
それは、光のスペクトルが違うからです。
光が物体に当たり、そこで一定の光の色の成分が吸収、乱反射などした光を見ているのが目で、それを写しているのが写真です。
青く見えるのは、赤い光が吸収されて青い光を反射しているから青く見えます。
蝶の羽の色は、反射面の形状により乱反射する事で発色しています。
この蝶の羽の原理で、表面を加工して乱反射で発色させる技術が、将来の塗装とも言われています。
衣服などは光を通すから、赤外線で写せば衣服の下の体のラインや色の強弱がモノトーン系の色合いで写るだけです。
しかも、体と衣服が密接していなければ写りません。
衣服は、光を通すと言う事さえ理解できない人もいるので、簡単に説明しておきます。
黒い冬服などを顔にかぶって、蛍光灯を見れば蛍光灯の光がうっすらと見えます。
つまり、光を通しているという事です
赤外線撮影も原理は同じで、可視光線を遮断する事で反射した赤外線だけを捉えているだけの話です。
ただし、赤外線は反射だけではなく熱源からも出ています。
家の壁などは光を通さないから、壁を赤外線撮影しても、赤外線は壁を通過出来ませんし、発熱していないから壁が反射した壁の映像しか写りません。
それは赤外線の量や強さを上げても変わらないのです。
そんな物を、どんなに改造したって原理的に写る事は無いと言う事です。
サーモグラフィーで透視撮影は可能か?
サーモグラフィーを使って、透視撮影されると言う記事がネット上でまことしやかにささやかれていますが、はっきり言って無理です。
恐らく「映画」等でそんなシーンを見た事が有りますから、それを真に受けているだけだと思います。
これが「虚実混同」で、映画はあくまでも作り物、現実の物ではありません。
サーモグラフィーは、表面温度が表示されるため、部屋の中の物体の形を映し出す事は出来ないのです。
理屈で説明しても、理解出来ない人が多いので写真でお見せします。
熱した石を水の中に入れる時の通常写真
そのサーモグラフィーの映像
熱した石は赤く映りますが水の中に入っている部分は映りません。
完全に水没させると全く映りません。
赤外線で、家の中が透視出来るのであれば、熱した石を水の中に入れれば水の中でも石は映るはずです。
石を入れて5分後
水がお湯になって水全体が緑色に映っています。
これがサーモグラフィーの実際の映像です。
この実験で赤外線撮影やサーモグラフィーで室内を透視撮影など出来ない事が分かります。
携帯電話の盗聴(傍受)
携帯電話の盗聴は可能か?
携帯電話の盗聴には色々な誤解があります。
一番多い誤解が、携帯電話とトランシーバーを同じに考えている人が多いのです。
携帯電話には電話番号がある、だから周波数が割り当てられていて、その周波数を受信して盗聴されると考えている人が非常に多いのです。
しかし携帯電話には固有の周波数は割り当てられていません。
電話をする度に周波数は変わります。
また、電話中でもハンドオーバーの時に周波数が切り替わります。
しかも、デジタル通信で音声変換は出来ません。
つまり、例え携帯電話の電波を受信しても誰の通話か分からず、その周波数も常に変っているのです。
そんな物を盗聴する事は出来ません。
また、CDMA方式の携帯電話は、多数の人の通話を混信させて符号によって分けています。
その符号が分からなければ特定の通話を分離する事は出来ないのです。
その符号とは、主に声紋が符号として使われるため、他人が使用する事は出来ません。
つまり、複数の人の会話が混信した状態の音声変換出来ないデジタル電波、しかもハンドオーバーで周波数がコロコロ変り、誰が何時どの周波数を使うかも分からない携帯電話の電波を受信して聞くなどと言う事は不可能なのです。
クローン携帯の真偽
携帯電話の盗聴に付随する問題としてクローン携帯があります。
「クローン携帯を作られて盗聴されている」と・・・
さてクローン携帯は現実に存在するのでしょうか?
確かに海外では存在していますが、日本国内となると実際に確認された例は有りません。
恐らくこれが実際の所でしょう。
海外と国内ではかなりシステムが異なります。
同時に一つの固有携帯IDが二つ検出されれば分かるようになっていますので、日本では無理なのが現状のようです。
また、日本国内でとり立たされたクローン携帯も、実際にはクローン携帯による物とは言い難い物ばかりで、クローン携帯による盗聴とは全く無縁の物ばかりです。
日本のクローン携帯騒動は、請求賞の請求金額の多さによって問題になっています。
今まで、日本国内でクローン携帯の疑いのある問題も、原因は提携する中国の通信会社の交換機の問題だったり、ゲームやアプリのパケット量の増大だったり、クローン携帯とは別の問題だったりしています。
もし日本でクローン携帯を作るとどうなるのでしょう?
実は私自身携帯の機種変更の時に奇しくもクローン携帯を経験しています。
機種変更する前の機種は通常のSIMで、変更後の機種はmicroSIMに変わりました。
その時、古いSIMを無効にして古い携帯を持ち帰ったのですが、どうやら生きていたのです。
古い携帯の電源を入れたまま新しい携帯を持って外出すると、新しい携帯は使用不能になりました。
新しい携帯から電話をすると発信出来ないのです。
また固定電話から新しい携帯に電話をすると、コール音はしますが新しい携帯にも古い携帯にも着信しません。
つまり、クローン携帯を作っても日本では使えないのです。
私も仕事柄色々な事案を見て来ています。
それは勘違い・・・・・と言うより記憶障害。
しかも自分で記憶障害と言う認識は有りませんでした。
それらが記憶障害と判明したのは、防犯カメラによる録画でした。
「留守中に誰かに侵入される」と言う人で、防犯カメラを設置した人の映像で明らかになった事なのです。
ある人は、「留守中に預金通帳を盗まれ、その後に預金300万円を引き出された通牒だけ返してあった」と言う事から、防犯カメラを設置したのですが、ガスを撒かれて意識を朦朧とされたと言う場面を見てみると、一時間程電話している姿が映っていましたが、その電話の記憶がありません。
結局その方は認知症で有る事が判明しました。
またある人は、部屋に侵入されて部屋の物が無くなったり、電話を使われる(高額な請求)と言う事で、防犯カメラを設置しました。
しかし映っていたのは、毎日真夜中に自分が電話している姿、しかしその記憶がありません。
その方は20代女性でした。
また、電話の通信が出来なくされていると言っていた人は、電話代を払っていなかっただけだったり、実際には勘違いや記憶障害による物が多いのです。
リモート(リモコン)式盗聴器
リモート(リモコン)式盗聴器の種類
RC-SLEEPER
寸法
本体67 x 21 x 73mm / アンテナ 3 x 220mm
162g(アルカリ電池含む) / アンテナ 3g
電池寿命
連続使用約62時間(006P 9V電池連続発信時) 待機時間1ヶ月程度
使用周波数
UHF-A(398.605Mhz), UHF-B(399.455Mhz)
KRT-800T
寸法
14mm×73mm×26mm
重 量32g(電池、アンテナ含まず)
電池寿命
連続使用6時間、待機時間1ヶ月程度
使用周波数
UHF-E(320.675Mhz)
KRT-400TA
寸法
73㎜×26㎜×14㎜
重量25g
100電源式
使用周波数
UHF-C(399.030Mhz)、UHF-F(321.135Mhz)
SCR-200T
寸法
18mm×73mm×26mm
重量55g
電池寿命
連続使用1日半 待機時間1ヶ月程度
使用周波数
スクランブル
Dチャンネル(320.235Mhz)Eチャンネル(320.675Mhz)Fチャンネル(321.135Mhz)Gチャンネル(321.575Mhz)を1秒間に20回切り替え
リモート(リモコン)式盗聴器の実力
リモート(リモコン)式盗聴器は、発見が困難な盗聴器と言われています。
しかし別に発見が出来無い訳でもありません。
と言うより、こんな物はプロは使いません。
素人さんが使って、実際には何の役にも立たずに、お金を損する盗聴器と言った方が適切かもしれません。
素人考えなら、発見されないように、聞きたい時だけスイッチを入れて・・・
そんな事を考えるかもしれませんが、それが素人考えなのです。
まず第一に、盗聴には室内盗聴と電話盗聴があります。
しかし、実際には室内盗聴の情報量はほとんど皆無。
少し考えてみてください、貴方は自分の部屋で何か喋っていますか?
24時間聞いていたとしても、部屋で喋る事がある時間はほとんど無いのです。
現実の盗聴は電話にこそ情報が詰まってます。
その電話盗聴器は、リモートする事無く勝手にON/OFFしています。
簡単に電話盗聴器の仕組み説明すると、電話回線には普段は微弱な電流が流れていて、受話器を上げて通話状態になると電流が流れます。
電話盗聴器はその電流を使用する為、電話をしなければ電波を発しません。
その為、リモート式の電話盗聴器は存在せず、リモート式盗聴器は室内盗聴器限定なのです。
リモート式盗聴器を使った場合を考えて見ましょう。
相手は何時喋るか分かりません。
スイッチがOFFになっていたらせっかく喋ってくれた内容を聞く事は出来ません。
そして、相手が何時喋るかさえも分かりません。
盗聴は浮気調査と同じです。
浮気調査は1週間毎日尾行して、決定的瞬間を写真に収められるのは一瞬です。
その一瞬の為に何時間も尾行や張り込みをするのです。
盗聴も同じで、一瞬の会話を聞き逃さない為に24時間電波を出し、音声起動録音をするのです。
つまり、リモート式の盗聴器などを使った場合、重要な内容を聞き逃してしまいますし、そもそも室内で話す事自体少ないのです。
各機種の性能を見れば、KRT-400TA以外全て電池式、電池寿命は長くても62時間。
何か話すまで聞いていればすぐに電池がなくなってしまいます。
また、100V電源式のKRT-400TAは磁石に弱く、強い磁石に触れれば使い物にならなくなります。
またサイズが大きいのも一つの特徴で、このサイズだと仕掛けるのも結構大変です。
どうしても心配なら
どうしても心配ならレシーバーが有れば簡単に見つけられます。
リモート式盗聴器の種類で、使用されている周波数は分かっていますので、レシーバーのメモリーにその周波数をインプットし、常時サーチするかしゃべる時にサーチすれば、もしリモート式盗聴器が付いていればスクランブル式以外のタイプは受信できます。
スクランブル式の物であっても、バグアナライザーに増幅器を付けて使用すれば反応します。
また、SCR-200Tがスクランブルで聞けないと言っても、専用レシーバーSCR-200Rで聞く訳で、SCR-200Rで聞けば聞けるのです。
そのSCR-200Rは市販されていて、NETでも買えます。
携帯の会話を聞かれるのが心配であれば、部屋から出て話せば聞かれる事もありません。
電磁波盗聴(テンペスト)
電磁波盗聴とは
電磁波盗聴はテンペストとも呼ばれる盗聴方法で、パソコンから出る微弱な電波から情報を盗み見る技術の事です。
基本的な方法としては、200Mhz~1000Mhz広帯域アンテナを使用し、広帯域受信機で受信、その受信した電波の中から復調可能な信号を拾い出し、シグナルジェネレーターでVGA信号として復調します。
これが直接放射受信の方法で、もう一つ伝道放射受信と言う方法もあります。
伝道放射受信はLANや電源ケーブルから出る電磁波を拾う方法で、復調方法は直接放射受信と同じです。
電磁波盗聴の実力
さて、その電磁波盗聴がどれほどの実力を持つのでしょうか?
これが実際の映像です。
緑の画面が電磁波盗聴で復調した映像です。
テンペストはテレビ番組でも紹介されました。
電磁波盗聴テンペストって最新技術なのか?
そうした番組で取り上げられると、電磁波盗聴テンペストは最新技術のように思えてしまいます。
しかしテンペストの歴史を調べると、かなり古い技術である事が分かります。
電磁波盗聴テンペストが生まれた時代背景を見ると、テンペストの別の側面が見えて来ます。
テンペストが使われたのは1970年代、NSA(米国家安全保障局)が開発した技術で、軍事機密として扱われていました。
その軍事機密が2000年頃に学会で公開された事に端を発するのです。
西暦2000年頃と言えば、パソコンやインターネットが急速に普及した時代です。
しかしこの頃のPCは、すでにVCCI規格で作られているのです。
さてVCCI規格とは?
VCCI規格とは、パソコンやFAXなどデジタル技術が普及し、そのデジタル技術は広い周波数範囲の妨害波を発生し(電磁波)妨害波のレベルによっては、ラジオ・テレビ 等の受信機に障害を与えることがあり、この妨害波の問題を解決する為に、電磁波レベルを押える為に自主規制なのです。
そのVCCIは1985年からスタートしています。
つまり、VCCI規格の以前のコンピューターの電磁波レベルは、テレビやラジオに影響を及ぼすほどの電磁波を出していた言う事なのです。
電磁波盗聴テンペストは、VCCI規格の10年以上も前の技術なのです。
当時のコンピュータを偲ばせる映像があります。
私が中学生の頃に夢中になっていたTV番組「謎の円盤UFO」です。
当時のコンピュータはまだオープンリールの磁気テープを使用していた時代です。
当時のコンピュータの電磁波レベルであれば、電磁波盗聴テンペストも容易だった事でしょう。
しかし、1985年以降VCCI規格の製品が一般化し、電磁波盗聴テンペストを行う事は困難になったと考えられるのです。
つまり、VCCI規格で使えない技術になった為に、世に出た技術と考えた方が無難なのです。
その為、電磁波盗聴テンペストが知られた時には、2メートル程度でしか受信出来ませんでした。
世の中面白い物で、現実的には出来ない事であっても、可能性があれば対処しようとします。
そこに新たなマーケットが出来るのです。
そのマーケットを拡大させようと思えば、脅威を作れば良いのです。
その脅威は、どんな大掛かりな機材を使ってでも受信出来るのを証明すればよいのです。
しかし、そんな大掛かりな機材を使って誰が電磁波盗聴などするのでしょうか?
そんな事をするより、ウイルスやスパイウエアやハッキングをした方が、手っ取り早くコストも掛かりません。
しかも、モニターに表示されている画面を見るのではなく、HDDのデータ自体を盗めるのです。
つまり、電磁波盗聴テンペストはもはや都市伝説でしかないのです。
電磁波盗聴テンペストの基本的な方法ですが、方法としては然程難しい訳ではありません。
最低限必要な物はワイドバンドレシーバー、増幅アンプ、ビデオコンバーター、長めの指向性高利得アンテナ、周波数カウンター。
但し、超微弱な電磁波を受信するため、全てにおいて高感度である事。
機材を用意したら、まずは周波数カウンターに増幅アンプを取り付けて、対象のパソコンを立ち上げてモニターの漏れ電波の周波数を測定します。
この時、完全に被覆されているコードより、隙間のあるソケット部の方が電波は漏れやすいので、コードではなくソケット部で測定します。
周波数カウンターで周波数が測定されたら、その周波数を増幅アンプと高利得アンテナを取り付けたワイドバンドレシーバーに入力し、受信した電磁波をビデオコンバーターで映像化すればOK。
※ワイドバンドレシーバーのスケルチは0
※指向性アンテナを使うのは余計な電波を拾わない為で、余計な電波の無い所ならパラコーンでも行けるでしょう。
とまあ理屈的には簡単なのですが、実際やってみると受信は困難を極めます。
電磁波を多く出す機種ならまだいいのですが、電磁波をあまり出さない機種ではまず受信出来ません。
やって見ると分かる事ですが、こうした超高感度状態でサーチをかけるとサーチは止まりまくります。
予め漏れ電波の周波数を測定していなければ、どれがどれだか分からないのです。
ですので、予め周波数を測定せずに行う事はできません。
予め周波数を測定するには侵入する他なく、侵入するのならウイルスなりスパイウエアを入れて来た方が早いですし、受信出来るかどうか分からない電磁波盗聴テンペストを使うよりもスパイウエアを入れた方が確実なのです。
せっかく侵入し、パソコンまで立ち上げて周波数だけ測定して帰り、情報を盗んでやろうとテンペストを試みて受信出来なかったら、これほど間抜けな事はありませんし、間違いなくそうなります。
受信に挑戦してテンペストが開発された時代を振り返ると分かる事ですが、その当時は今ほど電波が氾濫しておらず、デジタル機器の電磁波にも規制が無く、強い電磁波を出していたから可能だったと言う事を実感するのです。
周囲に何も電波が無いような所ならいざ知らず、電波の氾濫している住宅地で事前の周波数測定もせずにこの技術が使われる事は有り得ないのです。
早い話、氾濫する電波や電磁波が微弱電波のジャミング状態になっているのです。
まあ何事も用心には越した事はありませんので、ある程度の対策はしておいたほうが良いのかもしれません。
デジタル盗聴
デジタル盗聴とは
そもそもデジタル盗聴とは何なのでしょうか?
はっきり言って単なる携帯電話でしかありません。
デジタル盗聴器を私が初めて知ったのは1999年頃ですが、その頃はデジタル盗聴とは言わず「無限盗聴器」として、ある探偵社などで販売されていました。
内容は無料配布の携帯電話を少し改造しただけの物で、価格は確か25万円程度だったと記憶しています。
ボロい商売ですよね。
それが、携帯電話がデジタル通信の為いつの間にか「「デジタル盗聴」と言われるようになり現在に至っていますが、結局携帯電話です。
しかし、デジタル盗聴と言う言葉は一人歩きを始め「さも怖そうな物」として認識されています。
しかし、進化しているかと言えば、逆に盗聴器としては退化しているのです。
これは業者ですらあまり知らない事なのですが、現在の携帯電話のある機能が邪魔をしているのです。
昔の機種はこの機能のON/OFF切り替えが出来たので、この機能をOFFにすればクリアーに聞こえたのですが、現行機種ではこの機能は標準の物が多く、切る事が出来ない機種が多いのです。
よって、昔の携帯電話に比べ現在の携帯電話は盗聴には向いていません。
市販のリモートリスナーなどの高性能マイクを使用しても、近くの音は聞こえても少し離れた所の音はカットされてしまいます。
使った事がある人ならば音声がブチブチ切れる事を体験している物と思います。
また、相性などが合って比較的良く聞こえる機種でも「こもった音」の為、何を言っているのか結構分からなかったりもします。
このデジタル盗聴に適した携帯電話がプリペイド携帯だったのです。
しかし発売当初は身分証明が必要無かった為、匿名性が有ったのですが、現在は身分証明の提示が必要になり、こんな物を使って見付かりでもすれば身元がばれてしまいます。
電波式の盗聴器の最大の利点は匿名性にありますので、その匿名性が失われてしまった今、デジタル盗聴の利点は極めて限定的な物になっています。
また、デジタル盗聴といっても所詮携帯電話ですので、携帯電話の性能を超える事は出来ません。
つまり、連続通話時間は2時間前後で充電が必要、圏外では使えない、携帯ジャマーで簡単に阻止できる、発見するより妨害が有効、海外ではすぐに電池切れを起こす等、これらの携帯電話の弱点を付けばそんなに怖い物でもありません。
ネットで言われているように、通常では電波が出ていない為に発見できないとか、デジタルなので発見出来ないとか、そんな事は実際にはどうでも良いのです。
電波が出ていないデジタル盗聴器を発見する方法も実際にはありますが、コストの面でお奨めではありません。
実際にはデジタル盗聴(携帯電話)は通常の盗聴器より対処が楽です。
デジタル盗聴に対応できる機種としてFBI-2800があります。
値段は高いのですが、これは素人さんが使う機種としては最高性能の発見器とも言えます。
これで調べて何も無ければ、心配する必要はないと言っても過言ではありません。
私が実験した所、全ての電波式盗聴に反応し設置場所の特定まで出来ました。
妨害する方法もあります。
それは携帯ジャマーの使用で、100%のカットは出来ませんがそれに近い数値はカットできます。
デジタル盗聴は充電が必要な為、常に付いているとは限りません。
調査してもその時に付いていなければ調査の意味がありませんよね、その為、携帯ジャマーが有効になってくるのです。
当然自分の携帯もカットされてしまいますけどね。
この、100%ではないという事はどういうことか説明しますと、携帯電話の中継アンテナとの相対距離によって変わるという事なのです。
つまり、携帯電話やPHSの中継アンテナの近くではつながりやすく離れれば切れやすくなるという特性を持っています。
これは電波法に由来する物で、規定出力以上の電波を発信できない為に、妨害電波の出力が勝っていればカットしますし、携帯の出力が勝ればつながってしまいます。
しかし、デジタル盗聴は主に車載用に使われるのが主な為、常に状態が変化するので、聞く側の方からすれば切れている時間のほうが長くなり盗聴が実用的でなくなるのです。
面倒でもお金をかけずに防止す方法(車の場合)もあります。
簡単な事です、携帯電話が圏外になる地下駐車場などを探し半日~1日程度止めていれば携帯の電池は切れてしまいます。
この原理は「国内の携帯電話を海外へ持っていくとすぐに電池が切れてしまう」事と同じ原理です。
携帯は常に使用できる中継アンテナを探すために定期的に電波を発信しています。
その表示が「バリ線」なのですが、圏内に中継アンテナを確認すれば一瞬の電波送信で終わりますが、中継アンテナが無い所では探し続けます。
その為に電波を発信し続ける事により、通話状態と同様の電池消費が行われるために電池がすぐに切れてしまうのです。
同じ原理で携帯ジャマーによる妨害も電池切れを起こさせる事が可能になります。
この方法は、室内の防衛に利用できます。
ここまで読んでいただければ前に書きました「デジタル盗聴は通常の盗聴より対処が楽」と言うことが少しは理解できたと思いますが、整理してみましょう。
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どうです?
比較してみれば、どうって事の
無いものでしょう。
はっきり言って「使えません」ね。
デジタル変調を使わないデジタル盗聴器
デジタル盗聴器とはデジタル変調を使うからデジタル盗聴器と呼ばれるのですが、デジタル変調を使わない盗聴器もデジタル盗聴器として売られています。
デジタル変調は正弦波と逆相を0と1として通信を送るのに対し、デジタル変調を使わないデジタル盗聴器は、アナログ電波の周波数を高速で切り替える事でレシーバーで受信出来なくしてる盗聴器で、デジタルとは名ばかりの盗聴器です。
このタイプの盗聴器は、固定周波数を受信するレシーバーでのハウリング調査は出来ませんが、電磁波その物を調査する電界調査で見付ける事が出来ます。
携帯電話の分解
調査依頼者や相談者から「携帯電話に仕込まれている」と言う話を聞きますが、本当に出来るのでしょうか?
実際に、3つの機種で分解して見ましたが無理です。
今の携帯電話は、ほとんど無駄の無い設計になっていて、ケース自体が基盤に必要な部品になっているので、分解して盗聴器を仕込もうとしてもスペースがありません。
基盤同士は接点で接続されていますのでコードもありません。
つまり、電源を取る場所がないのです。
また、ご自分の携帯電話を分解して見れば分かりますが、まず特殊なドライバーが無ければ分解できません。
デジタル盗聴が騒がれ始めたのは、前にも書いた様に1999年で、その当時はまだアナログ方式が残っていて、携帯電話の傍受が可能だった。
しかし、現在は完全デジタル化になり、携帯電話の傍受が不可能になっている。
しかし、ネット上にはアナログ時代の情報も残っており、そうした情報では携帯電話の傍受は可能と書かれている。
ネットの中でデジタル盗聴を心配する人の多くは、そうした古い情報を見ている場合が多い。
そして、デジタル盗聴と、携帯電話の傍受は別物なのだが、これも混同して考えている人が多い。